ウッドマイルズ地域材セミナー2005 in 京都
2005年7月21日(木)から2日間に渡って、ウッドマイルズ地域材セミナー2005が京都にて開催されました。昨年に引き続き2回目の京都開催でしたが、京都府関係の方々を中心に、自治体関係者、森林・木材関係者、建築関係者、一般参加者と、各方面から50名が参加し、地域材利用に向けた展望や課題を議論しました。セミナーの模様は以下のとおりです。
初日は、ウッドマイルズ研究会より3つの講義を行いました。
1「ウッドマイルズは何を明らかにするのか」
藤原敬((社)全国木材組合連合会・全国木材共同組合連合会常務理事/ウッドマイルズ研究会代表運営委員)
これからの循環型社会と木材、ウッドマイルズから見る特異な日本の木材消費、地域材住宅のウッドマイルズ、といった概論の説明に加えて、都道府県産材認証制度の現状や地域材利用推進のツールとしてのウッドマイルズの可能性、算出技術者認定制度など、より具体的な今後のウッドマイルズツールの展開方針が示されました。
2「ウッドマイルズの算出方法と事例」
滝口泰弘(NPO法人WOOD AC/ウッドマイルズ研究会事務局長)
ウッドマイルズ関連指標の具体的な算出方法を、算出住宅事例を用いて説明し、地域材の履歴調査の難しさと改善の提案、ウッドマイルズレポートの今後の役割などについても触れられました。
3「ウッドマイレージCO2を組み込んだ京都府産木材認証制度」
白石秀知(京都府農林水産部林務課林業普及指導員/ウッドマイルズ研究会運営委員)
セミナーの共催でもある京都府より、全国に先駆けて今年2月にスタートした「ウッドマイレージCO2を組み込んだ京都府産木材認証制度」の意義や背景、制度内容や今後の課題、京都府の森林資源への取組の展望等が示されました。
2日目は、「地域材を使って森林を守る事例報告」と題し、地域材の普及活動をしている3名の方をお招きし、各々の活動報告を行いました。
1「山の立木を購入して取り組む家づくり」
大津の森の木を使って家をつくる会/株式会社坂田工務店代表取締役 坂田徳一
森林所有者から住宅の作り手、住まい手皆でチームを組み、立木の伐採から住宅の竣工まで、実際の住宅の供給に至る活動に加えて、産地認証の試行や今後の課題、展望について報告がありました。
2「環境貢献度で山の立木を販売するサウンドウッズ」
木材コーディネーター/有限会社ウッズ代表取締役社長 能口秀一
兵庫県での立木の直売システムを中心に、森林所有者と消費者が繋がらない、一般的な木材流通の問題点や、二酸化炭素固定能力による立木販売価格、直売システムならではの住宅の供給事例や今後の課題が報告されました。
3「地域材を使って森林を守る府民運動(京都府)」
京都・森と住まいの百年の会/企業組合もえぎ設計理事 田村宏明
一般市民の方々へ、地域材の意義や魅力を様々なイベント活動を通じて伝えていくという、京都・森と住まいの百年の会の活動が報告されました。2004年に設立されたこの会は、百年後の2103年までを目指して、和菓子屋さんでの勉強会や木の施設でのコンサート等、ユニークな活動の紹介や今後の展望が示されました。
2日目の後半は自由に意見交換を行いました。京都府関係者が多く、京都府産木材認証制度の議論が大半を占めましたが、ウッドマイルズに対する要望や意見も数多く出され、様々な可能性や問題点を認識しつつ、セミナーは終了しました。
- 作品名
- セミナー京都
- 登録日時
- 2005/07/21(木) 12:00
- 分類
- 2005年度