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ウッドマイルズって何?<ウッドマイルズの背景> |
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■ 蓄積を続ける日本の森林

 
日本は緑の列島とも言われるほど森林資源の豊かな国です。国土面積に対する森林面積の割合(森林率)は64%で、世界的にも有数の森林保有大国です。日本の森林は、木材を生産する人工林が4割、かつては里山として利用されていた天然林(薪炭林)が4割、残りの2割が原生林です。大部分が人間との関わりの中で保たれてきた森林なのです。森林は私たちの命の源であり、雨水をしっかりと土壌に蓄えておく水源かん養、土砂崩れなどの自然災害防止、川の水をきれいにする水質浄化、大気中の二酸化炭素等を取込む大気浄化、町の人々や子供たちのレクリエーション、生物種保護など、今でもとても多くの公益的機能を発揮しています。
 
しかし、一見緑豊かな森林も一歩中に入ると、特に人工林では暗く荒れた世界が広がっています。林業の低迷により管理放棄された森林です。適切な間引きがされない管理放棄された森林の木々は、細い幹のまま太陽を求めて上へ上へと伸びていき、その結果、いわゆるモヤシ状の過密林となり、風や雪などに耐えられない危険な山が増大しています。

世界の森林率と木材自給率(2000年:H12年)

※出典:(森林率) FAO「STATE OF THE
WORLD'S FORESTS 2005」、(自給率)林野庁「平成13年度森林・林業白書」をもとに作成

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戦時中、木材は貴重な資源であり、至るところではげ山になっていた日本の山を再生し、木材資源を復興させるべく、戦後、国をあげて拡大造林が行われました。「木を植えれば儲かる!」という時代です。ところが、木は植えてから木材になるまで数十年かかるため、戦後急増する木材需要に対応すべく、昭和32年〜39年にかけて木材の輸入自由化が行われ、多くの輸入材が入ってきました。そして、外材輸入が本格化する一方で、日本の林業や木材業は整備や合理化が遅れ、現在日本の木材自給率(用材)は20%まで落ち込んでいます。(用材:製材用、パルプ・チップ用、合板用、その他の用材で、しいたけ原木や薪炭材は含まれない)

日本の森林蓄積量の推移

※出典:林野庁(2003)「森林資源現況調査」をもとに作成

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その結果として、わが国の森林は全国各地で不健康な状態で蓄積を続けています。今後、世界の人口増加と環境破壊が進むにつれ、木材に限らず、食料や燃料などの取り合いが世界中で起こるとも言われています。自国にふんだんに森林資源がありながら、何故私たちは輸入材を使い続けているのでしょうか。一刻も早く私たちの木材消費を、国産材や地域材へシフトすることが求められます。
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